【愛知県田原市】海の環境を学ぶ会~干潟観察会レポート|悪天候でも親子26名参加で絶滅危惧種を発見
CAEA渥美半島環境活動協議会との協働開催
5月31日(土)、海の環境を学ぶ会~干潟観察会をCAEA渥美半島環境活動協議会との協働で開催しました。あいにくの雨で風がかなり強い悪天候となり、5名のキャンセルがありましたが、26人の参加者(大人12名、子ども14名)が集まってくださいました。
講師は自然研究センターの海上智央氏です。海上氏には今回で5年目のご指導をいただいており、干潟の生物多様性について豊富な知識と経験をお持ちの専門家です。活動場所は弁財が浜の干潟で、三河湾でも特に生物多様性が豊かな場所として知られています。

専門講師による安全指導と絶滅危惧種についての解説
活動前には、この干潟にエイが出没することもあるため、参加者全員に注意喚起を行いました。海上氏からは、この干潟には絶滅危惧種がいること、愛知県で発見された例が1件しかないような珍しい生き物もいることなどの説明がありました。
参加者の皆さんは雨具を着用し、安全に配慮しながら干潟観察の準備を整えました。特に小さなお子さん連れの家族には、滑りやすい干潟での注意点についても詳しくお伝えしました。

悪天候を忘れるほど熱中する子どもたちの姿
活動が始まると、雨に打たれながらも子どもたちは一心不乱に生き物を探していました。海上氏の冒頭の説明により、自分が珍しい生き物を見つけたいという気持ちで生き物を探していきました。「これは何て名前ですか?」「先生来て~!」と海上講師に声をかける子どもたちの姿が印象的でした。悪天候など関係ないといった様子で干潟の生き物探しに夢中になっていました。


天候回復とともに広がる観察フィールド
活動後半では雨も上がり潮も引きました。干潟がより広く姿を現すにつれて、観察できる範囲も広がり、参加者の活動も活発になりました。普段は水に隠れている場所にも足を踏み入れることができ、より多くの干潟生物との出会いが期待できる状況となりました。
海上氏による生き物の解説に、参加者は大人も子どもも興味深く聞き入っていました。発見された生き物一つ一つについて、その特徴や生態、環境指標としての意味などを分かりやすく説明してくださいました。


参加者に大好評の渥美アサリのあさり汁
活動終了後は、あさり汁をふるまいました。今回は事故の治療中ということで、亀の子隊代表の鈴木による準備となりました。子どもたちには大好評で、中には4杯もおかわりする子もいました。「おいしい!」という声があちこちから聞こえ、みんな美味しく渥美アサリを食べてくれてよかったです。


弁財が浜干潟の生物多様性の価値と保全の重要性
海上氏によると、弁財が浜およびその周辺では、これまで約200種の干潟生物が見つかり、そのうち絶滅危惧種が38種含まれています。これは確認種の約20%にもおよぶ、全国的に見ても高い値を示しています。
海上氏は「私のメインフィールドである東京湾では既に絶滅したイボウミニナやヘナタリが、渥美の弁財が浜では潮を引いた干潟にゴロゴロと転がっており、初めて訪れた際には思わず興奮して声を上げてしまいました」と語っています。



地域の宝として守り続けたい貴重な環境
「これほど多くの絶滅危惧種を含む多様な海洋生物が生息する弁財が浜は、三河湾においても豊かな生物多様性を誇る場所である一方で、保全が急務な場所でもあります。人里離れた場所に行かなくても、多数の絶滅危惧種に気軽に出会えるこの貴重な場所を、ぜひ地域の皆さんに末永く守っていただきたいと思います」と海上氏は話されています。
悪天候にも関わらず26人の参加者が集まり、最後まで熱心に観察活動を続けてくださったことは、海の環境への関心の高さを物語っています。子どもたちが雨に濡れながらも生き物を探し続ける姿から、自然への純粋な好奇心を感じることができました。

海洋環境教育の意義と今後への期待
今回の干潟観察会を通じて、参加者の皆さんには干潟の重要性と、きれいな海を守ることの大切さを感じていただけたことでしょう。直接干潟の生き物に触れ、その多様性と希少性を体験することで、参加者の皆さんの「きれいな海を守る心」がまた一つ広がったことと思います。
CAEA渥美半島環境活動協議会との協働による本活動は、地域の貴重な自然環境を次世代に継承していくための重要な取り組みです。今後も継続的に開催し、より多くの方に弁財が浜の価値を知っていただきたいと思います。
活動実績
- 参加者数:26名(大人12名・子ども14名)
- 観察場所:弁財が浜干潟(約200種の干潟生物生息)
- 絶滅危惧種:38種を確認(全体の約20%)
- 活動時間:約3時間
- 講師:海上智央氏(自然研究センター)
